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「群馬創業融資センター@太田」事務局です!
金融機関の評価は、決算書の内容と決算書に記載されない情報をどれだけ提供できるかで変わります。
実は、決算書の内容と情報提供は顧問契約を結ぶ税理士によって質が変わってきてしまいます。
つまり、金融機関からの評価は税理士次第で良くも悪くもなる可能性があるということです。
税理士によって金融機関評価が変わる!?
金融機関が企業の評価をする際には、主に次の2つを軸にみていきます。
- 定量評価・・決算書や試算表などの数値評価
- 定性評価・・社長や従業員の質など簡単に数値評価できないもの
私の経験上、これらの評価を上げるのが上手な経営者は、金融機関や税理士との付合い方が上手な方でもあります。
金融機関からの評価に税理士は関係ないだろー、と思われる方もいます。
実は、税理士がどこまで企業に関わっているかによって、金融機関評価って変わってくるのです。
金融機関評価とはザックリいうと、「どこまでお金を貸せるか、金利はいくらにするか」の基準を決めるものです。
金融機関が喜ぶこと、求めていることをしてあげれば評価は高まりやすいのです。
大切なのは情報提供の質と量とスピード
企業の業績を後から変えることはできませんが、金融機関に対する情報提供の質と量とスピードを上げることはできます。
これらをやるだけで、金融機関からの評価を高めることができてしまうのです。
金融機関の評価を高めることができれば、融資金額、融資金利を動かすことは可能です。
ここでは、税理士ができることを主に、中小企業単独でやることは比較的難しい7つのポイントをまとめました。
- 試算表を毎月作成する
- 試算表、決算書の説明をできるようにする
- 決算予測・対策を行う
- 資金繰り表、事業計画を作成する
- 決算書に品質保証の書類を添付する
- 税理士にチェックリストを作成してもらう
- 税理士に会計参与に就任してもらう
どれか一つ実践するだけでも効果はあるので参考にしてください。
以下、詳しくみていきましょう。
①試算表を毎月作成する
毎月の試算表を翌月中には作成して、金融機関にいつでも提供できるようにしておきましょう。
融資を受ける時だけ試算表を税理士に頼む方もいますが、金融機関から経営に対する意識が低いと評価される可能性があります。
また、経営者が自分の事業の業績に興味を持っていないようでは、そのビジネスの発展は難しいということは客観的にもわかります。
金融機関どうこうでなく、経営者なら試算表は毎月必ず作成してチェックする癖をつけましょう。
業績を定期的にチェックしないことは、経営の加速を停滞させる要因になるおそれがあります。
税理士事務所によっては、顧問料を安くする理由の一つに試算表を毎月作成しないという場合もあります。
もし、税理士に試算表の作成を依頼して、すみやかに作成できないようであれば、顧問料を増やして毎月作成してもらうか、税理士の変更を検討しましょう。
②試算表、決算書の説明をできるようにする
毎月試算表を作成するようになったら、今度は試算表を読めるようになることが大切です。
税理士から試算表の説明を受けて、
「なるほどー、そうなんですねー」
で終わりにしてはいけません。
経営者自身が金融機関に試算表や決算書の説明をできるようになるレベルまでもっていきましょう。
わからないことは税理士に質問しまくって、少しずつ理解して自分の中に落とし込んでいけばいいのです。
金融機関は、経営者が試算表や決算書の数字を見て問題点を把握し、どう改善していくかを考えられるかどうかを見ています。
自社の経営状況を把握できなければ、融資を受けて返済していく予測を立てるのも難しいでしょう。
最初から試算表や決算書を理解して、金融機関に説明するのは難しいかもしれません。
疑問点は何度も税理士に質問をして、経営者として自分のビジネスの数字の見方を身につけていきましょう。
③決算予測・対策を行う
決算日の3~4カ月前には、税理士に依頼して決算の事前検討会を実施しましょう。
決算の予測に基づいて、金融機関評価を少しでも上げられるような決算対策を検討することができます。
とはいっても、実際は金融機関のためというより、一番は経営者自身のためです。
決算予測をすることで、納税資金に慌てることもなくなります。
また、次期の事業計画を作成する際の参考資料にもなるので、必ず決算予測はしましょう。
④資金繰り表、事業計画を作成する
資金繰り表や事業計画を作成して、予算と実績を定期的に金融機関に報告しましょう。
3ヶ月に1回くらいは金融機関の支店長と融資担当と面談して業績を説明できるとベターです。
これも、正直金融機関のためというより、一番は経営者自身のためです。
経営者であるなら自分のビジネスの未来にも興味を持ちたいものです。
資金繰り表と事業計画は、それぞれ不足している部分を補い合う資料になるので、なるべくならセットで作成しましょう。
⑤決算書に品質保証の書類を添付する
税理士に、税理士法第33条2の書面を決算書に添付してもらうことで決算書の信用力が高まるという、何とも魔法のような書類があるのです。
まあ、実際は魔法でもなんでもないのですが。
この決算書は品質の高いものだという品質保証的な書面なわけです。
この書面を添付することで、金融機関だけでなく税務調査を受ける可能性も減少します。
決算書の信用力を上げるだけでなく、税務調査のために、本業に時間を取られるコストを減らす事ができます。
⑥チェックリストを作成してもらう
これもまた、「税理士が一定の基準に基づいて作成した決算書ですよ」、という証明のようなチェックリストがあるのです。
中小企業会計指針に関するチェクリストという書類ですが、中小企業が決算関係書類を作成するに当たって、こんな会計基準を参考に作成するといいですよね、ということを明確化したものです。
このチェックリストを融資を受ける際に金融機関に提出すると、金利優遇のメリットを享受できることもできます。
保証協会付き融資を受ける場合は保証料が優遇されたりもします。
なお、低価格でとりあえず決算書を作成してもらっています的な場合は、正直このチェックリストは作成してもらえない可能性が高いでしょう。
⑦税理士に会計参与に就任してもらう
会計参与は、税理士や公認会計士などの会計に関する専門家が、会社の取締役と共同して決算関係書類を作成します。
つまり、税理士が自社の会社役員になって、一定のルールに基づいた質の高い決算書を作成し株主に説明をすることになるのです。
結果的に、金融機関や外部からの評価が高くなり、経営の安定に役立てることができます。
こういうと大きい会社のやる事ではないのか、と思われがちです。
しかし、会計参与制度は主に中小企業の決算関係書類の記載の正確さに対する信頼を高める制度です。
また、会社の規模が大きくなってきたり、後継者を育てたい、社内管理体制や財務戦略を整備していこうと考えている会社なら、毎月の取締役会に税理士に出席してもらい、情報共有のハブになってもらうこともできます。
第三者が入った方が議論が円滑に進むかも、と思う方にはオススメです。
まとめ
金融機関の評価を高めるには、決算書の内容と情報提供の質と量とスピードが大事ということをお伝えしました。
- 試算表を毎月作成する
- 試算表、決算書の説明をできるようにする
- 決算予測・対策を行う
- 資金繰り表、事業計画を作成する
- 決算書に品質保証の書類を添付する
- チェックリストを作成してもらう
- 税理士に会計参与に就任してもらう
ですが、上記のことを実践していくことは、実際は金融機関のためでなく、経営者自身のためなのです。
事業を成長させている経営者の多くは、上記のことを実践していると感じています。
どれか一つ実践するだけでも効果はあるので、これを機会にできそうなところからスタートしてみてはいかがでしょうか。
税理士は活用してナンボです。
税務申告や書類作成で終わらせてはもったいないですよ!
ただし、どこまでの業務を請け負うかは料金との兼ね合いもあるので、そのあたりは税理士との相談になります。
まずは、気軽に相談してみましょう。
今日もご覧いただきありがとうございました。