「認定支援機関」ってどんなところ?活用するメリットとは?
僭越ながら、当事務所も中小企業の新たな事業活動の促進を支援する機関として、国のお墨付きを頂いたわけです。
税理士事務所が認定支援機関に認定されているか否かも、税理士選びの基準の一つにしてもいいかと思います。
中小企業が、認定支援機関に認定されている税理士事務所と関わるメリットについてご紹介いたします。
▶参考:中小企業庁HP「経営革新等支援機関認定制度の概要」
認定支援機関の制度の概要
中小企業を巡る経営課題は、近年ますます多様化・複雑化してきています。
具体的には、
- 事業承継
- 資金調達など金融戦略
- ITなど情報化戦略
- マーケティング戦略
- ビジネスマッチング
- 産学官連携
などは、ひと昔前ではさほど重要視されていない分野でありました。
しかし、後継者不足やインターネットの急速な普及と進化、販売チャネルの多様化により、いわゆるひと昔前の経営手法だけではビジネスが立ち行かない状況になってきているのです。
大企業ならまだしも、中小企業が自力でこれらのことに対応していくのは、時間的にも資金的にも厳しいものがあります。
そこで、中小企業支援施策の一環として、国は平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」を施行し、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度を創設したのです。
認定支援機関に認定される条件とは?
認定制度は、税務や金融、企業財務に関する専門的知識や経営支援の実務経験が一定レベル以上の個人や法人が認定の対象となります。
なので、主に認定の対象となるのは次の職種になります。
- 金融機関
- 税理士
- 公認会計士
- 弁護士
- 中小企業診断士
- 社労士
- 経営コンサルタント など
ただし、単に〇〇売上アップコンサルタントや、マーケティングコンサルタント等と名乗っているだけでは、国の認定は間違いなく通りません。
経営状況の分析や、事業計画の策定・実行支援、経営革新計画の実務経験がないと書類審査が通らないからです。
さらに、申請する際には自分の確定申告書や、事業計画を添付しなくてはなりません。
これは、中小企業の経営を支援する、認定支援機関の事業基盤が健全であることを証明するためです。
認定支援機関になるハードルは高い分、支援を受ける中小企業からすると安心して支援を受けることができるわけです。
認定支援機関によって得意とする分野は様々
とはいっても、認定支援機関に認定されたからといって、何でもできます!というわけではありません。
それぞれ、得意分野が異なります。
例えば、私が主に支援できる内容は、
- 創業支援
- 事業計画作成
- 経営改善
- マーケティング
- マッチング支援
- 人材育成支援
- 人事労務支援
- 金融・財務支援
などなどです。
中でも日本政策金融公庫を中心とした創業融資支援については、お客様から一定の評価を頂いております。
これらは、どの支援機関が何を支援できるのかを、経済産業省のHPでも見ることができます。
逆に、私が支援するのが困難な領域は、
- 知財戦略
- 生産管理・品質管理
- 海外展開
- 物流戦略
- BCP作成支援
などです。
上記の分野に強いのは、主に大手の税理士法人とか弁護士法人になりますかね。
いずれにしても、同じ認定支援機関でも支援できる内容は異なります。
同じ税理士でも、提供できるサービスが異なるのと一緒ですね。
認定支援機関に登録している税理士と関わるメリット
認定支援機関である税理士と付き合うメリットは、単に、経営支援に強いというだけではありません。
具体的には、主に次のメリットがあります。
- 公庫の融資金利が安くなる
- 融資保証料が減額される
- 補助金申請により資金調達がしやすくなる
- 事業計画の策定で現状の把握・対応策を明確にできる
- 税制上の優遇措置が受けられる
以下、詳しくみていきましょう。
①公庫の融資を低金利で借りられる
日本政策金融公庫の融資にはいくつかの種類があります。
その中の一つに「中小企業経営力強化資金」という制度があります。
中小企業経営力強化資金は認定支援機関経由で公庫に融資申請することで、金利を最大△0.5%安くすることができるのです。ご自身で申請した場合は「中小企業経営力強化資金」自体利用することができません。
融資金額が大きくなればなるほど0.5%の金利負担は重くなります。
税理士に税務関連を依頼する予定がある方なら、間違いなく認定支援機関に認定されている税理士を活用することをオススメします。
②保証協会の保証料を安くできる
認定支援機関の支援を受け、事業計画の実行報告を行うことで、信用保証協会付き融資の信用保証料が減額(▲0.2%)されます。
③補助金獲得の確率が高まる
認定支援機関と付き合うメリットの上位にくるのが、ものづくり補助金に関わることです。
「創業促進補助金」、「中小企業ものづくり補助金」などの補助金については、認定支援機関が事業計画の実効性を確認することにより申請が可能となります。
つまり、認定支援機関の確認書がないと申請ができないというわけです。
④事業計画の策定で現状の把握・対応策を明確にできる
- 売上を増加させたい
- 経費などのコストを削減したい
- 経営上の根本的な課題を発見したい
- 従業員に会社の理念やベクトルを示したい
など、上記のような経営上の課題は企業により様々です。
認定支援機関に相談して事業計画書を作成することは、現状把握と課題を明確にし、対応策を打ち出すことに役立ちます。また、認定支援機関の支援を受けて事業計画(経営改善計画)を策定すると、認定支援機関に支払った費用の3分の2 (上限200万円)を国が負担する制度もあります。
▶参考:中小企業庁HP「経営革新支援」
⑤税金面のメリットもある
青色申告書を提出する中小企業者が、平成31年3月31日までに経営改善設備を取得した場合に、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除を受けることができます。
なお、経営改善設備に該当する資産は、認定支援機関から経営の改善になる資産として確認された以下の設備です。
- 取得価額30万円以上の器具、備品
- 取得価額60万円以上の建物附属設備
▶参考:中小企業庁HP「設備投資を応援します」
まとめ
知らない、知っている、だけで損する得するのが税制や国の事業です。
認定支援機関もその一つ。
認定支援機関を知っているか否かで、損する人、得する人がわかれます。
認定支援機関を活用して、事業を加速させていきましょう!
群馬創業融資センターは夢を持って創業される経営者様を応援しています!
今日もご覧いただきありがとうございました。
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