『創業計画書』に補足資料を添付しないと日本政策金融公庫の創業融資が通りにくい理由!
日本政策金融公庫の創業融資相談を月々5~10件頂いております。
群馬創業融資センター@太田を運営している税理士の涌井大輔です。
今日のテーマは創業融資申請のキモとなる『創業計画書』についてです。
『創業計画書』1枚では創業融資申請が通過しにくい理由を、融資専門家が経験をもとにお伝えします。
創業計画書はプレゼン資料の要約版と同じ
日本政策金融公庫の『創業計画書』をご覧になったことはありますか?
日本政策金融公庫に創業融資の申請をする際には、
- 借入申込書
- 創業計画書
を持参して公庫に相談に来てください、と公庫の案内文には書かれています。
意気揚々と融資相談に行ったら、『税理士に相談することオススメします』と公庫の担当に言われた経験がある方もいるでしょう。
そうなんです。
公庫の案内分をそのまま鵜呑みにしていると公庫を行ったり来たり、伝書鳩のように時間だけが過ぎていきます。
時間があまり余って仕方ない、という場合ならいいですが、
創業融資を検討されている多くの方は、「いつまでに開業したい!」と決めている場合がほとんどです。
無意味な時間の経過ほど浪費&機会損失になるものはありません。
審査担当者に計画書の根拠説明と理由を細かく聞かれる
『事業計画書=公庫所定の創業計画書だけでいい』
と勘違いしている方が非常に多いと感じています。
公庫所定の創業計画書は、いわゆるプレゼン資料の要約版、のようなものです。創業計画書に記載した1つ1つの項目について、しっかりとした根拠説明や理由を伝えられなければ審査は一向に進みません。
例えば、下記の記入例のように記載して融資申し込みに行ったとします。
創業の動機は、これまでの経験を生かし、自分の店を持ちたいと思い、○○地区で物件を探していたところ、立地も広さもちょうど良いテナントが見つかったためです。
起業家さや
- なぜ自分のお店を持ちたいのですか?
- なぜ〇〇地区で物件を探したのですか?
- ちょうどよい広さとは一度に何人収容ですか?
- 物件は何件くらいみたのですか?
- 物件の相場はいくらなのですか?
- 候補テナントの面積など詳細を教えてください。
- 競合店舗は何件くらいありますか?
税理士わくい
などなど、創業計画書に詳細が書かれていない分、審査担当から色んな質問が飛んでくることになります。
沢山質問してくるのは、単純に計画書に記載されている知りたい情報が不足しているからです。圧迫面接や嫌がらせという意味ではありません。
質問に答えられない場合は計画性が甘いと判断されることも
先ほどの、創業計画書の『1.創業の動機』をもう一度みてみましょう。
立地も広さもちょうど良いテナントが見つかったため。
起業家さや
と創業計画書に記載しましたが、
- なぜのその立地がいいのか理由は?
- どんな客層が多いのか?
- 競合店舗の状況は?
- 店舗広さは何人収容できるのか?
などについて答えられなければ、計画性が甘いと判断される可能性があります。
なぜなら、これらがある程度分析できていないと、
- ターゲット顧客は誰か?
- 客単価はいくらか?
- 一日の売上はいくらか?
- そもそも見込み客はいるのか?
についても、現実とイメージが大きく乖離することになります。
つまり、予想損益計画書(事業の見通し)についても、根拠の薄い計画書と判断されてしまうのです。
また、事前のターゲティングやマーケティングができていないと、創業にかける熱意や本気度も弱いと判断されかねません。
感のするどい融資審査担当者であれば、創業計画書の『1.創業の動機』をみてヒアリングしただけで、
この計画はやばそうだ。。。
税理士わくい
と感じるでしょう。
創業計画書を作成したら、弱いと思う個所を、審査する立場になって自分に質問して補強していきましょう。
創業計画書の作成のコツはまず補足資料から作成する
何度もいいますが、公庫所定の創業計画書は、いわゆるプレゼン資料の要約版、のようなものです。
創業計画書に記載した1つ1つの項目について、しっかりとした根拠説明や理由を伝えられなければ審査は一向に進みません。
創業計画書の作成のコツは、1つ1つの項目について、別紙で資料を作成する、ことです。一つの項目につきA4用紙1枚以上使うくらいの説明資料を作成しましょう。
その資料を要約したものを創業計画書に転記します。
要約したものみて、ツッコミどころ満載であれば、突っ込まれそうなことを補足資料に書き足していきます。
ちなみに私が日本政策金融公庫の創業融資申請サポートをする場合は、
補足資料自体を完全な添付資料として作成し、創業計画書には『別紙〇〇を参照ください』と記載しています。こういった資料作成に慣れていない方は、
- 説明資料の作成
- 要約の作成
- 要約にツッコミを入れる
- 説明資料の精度を上げる
- 要約の精度を上げる
を繰り返してみましょう。
必ず精度の高い(融資確率が高い)創業計画書ができます。
まとめ
公庫所定の創業計画書は、いわゆるプレゼン資料の要約版、のようなものです。
創業計画書に記載した1つ1つの項目について、しっかりとした根拠説明や理由を伝えられなければ審査は一向に進みません。
- イメージはできるけど、それを文章化するのが苦手
- 文章化できるけどやっている暇がない
- 何とか一発で書類を作りたい
という方は、正直自力で書類作成&融資申請することはオススメできません。
日本政策金融公庫は税理士が関与した創業計画書を好みます。なぜなら、公庫担当者が知りたいポイントを押さえた実現性の高い申請書を作成することができるからです。
そのため、当事務所も認定されている認定支援機関が関与した創業融資申請の場合は金利が優遇される制度もあります。
どんなに夢や熱意があったとしても、精度の高い事業計画書を作成しなければ、融資審査通過の確率は下がってしまいます。
- 自分で融資申請するのには不安がある
- 事業計画はあるけど審査が通るレベルか心配だ
という方は、ご自身で融資申請される前に、一度税理士などの専門家に相談することをオススメします。
群馬創業融資センターは夢を持って創業される経営者様を応援しています!
今日もご覧いただきありがとうございました。